3D

小さな古銭から大きなダムや地形、遺跡など、あらゆる物を3Dデータ化しております。

3Dデータを作成するための機材には、三次元スキャナー、レーザー測量器など様々な種類がありますが、弊社では主に「写真測量技術」を採用しております。
市販されている普通のカメラで撮影した写真から3Dデータを作成できるので、レーザー測量器(数千万円)などの高価な機材を使う必要がありません。
機械経費がかからないため、安価に3Dデータを作成できます。
重くて高価な機材を現場に持って行く必要が無いため、手軽に短時間で作業できます。

3Dデータ化すると、たくさんの効果があります。

3D効果その1

好きなところで断面図を作成できます。
地形の断面図を作る場合、従来の方法ではポールやスタッフ、レベルなどを使って、人間がその場所に行って計測します。
急な崖を登ったり、土砂崩れの災害現場に行くこともあり、危険がいっぱいです。
「写真測量技術」を使えば、安全なところから現場の写真を撮っておくだけです。
会社に帰ってから、写真を3Dデータ化し、好きなところで断面図を作成できます。

サンプルデータを作成したのでご覧ください。
赤いポイントを動かすと、断面図がリアルタイムに自動作成されます。



断面図の自動作成

断面図の精度も飛躍的に向上します。
従来の「ポールやレベルで人間が現地計測する方法」では、細かく計測するととっても時間がかかるため、1m間隔で計測したり、勾配が大きく変化する点だけを計測します。
計測した点を結んだものが断面図となるため、点と点の間は直線になってしまい「変化が無いもの」として表現されてしまいます。
3Dデータであれば、全ての地形変化が断面図として表現できるので、精度が高い断面図を作ることができます。

手軽に作れるので、弊社では打ち合わせ資料としても活用しています。
お客様と一緒に3D地形図を見ることで、写真では伝わらない現場の様子を伝えることができます。

 

3D効果その2

オルソ画像(正射変換した画像)を作成できます。
オルソ画像とは、Googleマップの航空写真と同じ様に、上空視点の「歪みが無い」画像です。
カメラで撮影した写真は歪んでいます(遠くの物ほど小さく写り、横に倒れて見えます)。
その歪みを取り除いたものがオルソ画像です。

従来のオルソ画像作成手順は → セスナ機を飛ばす → 航空写真を撮影する → オクルージョン(高いビルに隠れたところ)を解消する → 上下左右の写真を結合する → オルソ画像完成!
といった様に、たくさんの時間とお金がかかる大変な作業でした。

セスナ機を飛ばすには管制塔と日程調整して許可を取り、やっと許可が取れても天気が悪くて中止になったり・・・。
何よりお金がかかりすぎます。

近年ではドローンで手軽に航空写真を撮影できるようになりました。
弊社のオルソ画像作成手順は → ドローンで撮影する → 写真を3Dデータ化する → オルソ画像に変換して完了!
とってもお手軽です。
狭い範囲であれば、ドローンを飛ばす必要もありません。
自分で歩き回りながら地形を撮影 → それを3Dデータ化 → オルソ画像を作れます。

 

3D効果その3

災害状況を詳細に残しておくことができます。
災害現場は早急に復旧する必要があるため、「崩れた状態」を時間をかけて詳細に記録している余裕がありません。
「崩れた状態」を3Dデータとして残しておけば、後から様々な角度から分析することができます。
好きな場所で断面を切ることもできるし、崩れた土量を算出することもできます。
後世のために「分析できる資料」として残すことができます。

 

3D効果その4

遺跡に対して大活躍します。
工事中に発見された「遺跡」を3Dデータとして残しておくのも非常に有効です。
遺跡の発掘現場は、遺跡の先生や職人の技術により、とても綺麗に見事に発掘されます。
芸術的に綺麗に発掘したのに、道路や建物を作るために、すぐに壊されてしまいます。
今を生きる人々の為には仕方ない事かもしれませんが、古代の人々の「軌跡」が抹消され、図面や写真でしか残りません。

3Dデータ化しておけば、「分析できる資料」として残すことができます。
3Dデータからオルソ画像を作り、それをトレースすることで、簡単に図面を作成することもできます。
(図面自動作成技術も開発中です)

3DデータをWebで公開したり、学校の教材や、歴史館の展示資料としても使えます。

 

★地方公共団体様へ★
予算の都合で、「遺跡」と確定する前の状態(試掘前の状態)を図面に残しておくことは難しいと思います。
ですが、試掘を行うと遺跡が壊されてしまうので、試掘後に作成する図面は一部欠損した図面となってしまいます。
それを解消するために!
遺跡らしきものが発見された時に(試掘する前に)、学芸員の先生がご自分で写真を撮っておき、試掘が終わった後に、「遺跡」と確定した場合、その写真から3Dデータを作成すれば、壊される前の遺跡図面を作成することができます。
「写真の撮り方」の講習も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

サンプル

サンプルデータを作成したのでご覧ください。
Webブラウザーでグリグリ動かすことができます。
スマートフォンやタブレットでも同じように見ることができるので、観光や学校教材としても利用できます。
※Web公開用に軽くした(間引いた)データなので、だいぶ粗くなっております。
※大きさがわかるように「手のポリゴン」も一緒に表示しています。



ナウマンゾウの歯(ナウマンゾウ博物館)


オオツノシカの顎(ナウマンゾウ博物館)


岩偶(長野県宮田村)


三角とう土製品(長野県宮田村)


寛永通宝

 

数十cmの物体~数十mの地形であれば、カメラを手に持ち、歩いて撮影して3Dデータ化します。
小さな古銭などは、顕微鏡レベルのスーパーマクロで撮影して3Dデータ化します。
広範囲の地形はドローンで撮影して3Dデータ化します。

 

信州大学と共同研究

3Dデータの精度向上、分析、i-Constructionの推進などを行うべく、信州大学と共同研究を行っています。
弊社だけでは実現困難な事象に対して、教授をはじめ、大学生、大学院生、コーディネータのお力を得て、着実に前進しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

長野県埋蔵文化財センターと共同研究

埋蔵文化財の記録、保全、分析、利活用を行うべく、長野県埋蔵文化財センターと共同研究を行っています。
資料の提供、品質評価、アドバイス、ご提案など、多大なご協力を頂いております。

 

その他の利活用

◆撮影
ドローン・ラジコンヘリによる空中撮影。
建物の全景撮影。
モニュメントの撮影。
洞窟、洞穴などの狭い場所の撮影。
古墳・遺跡からの出土品の撮影。

◆データ処理
Web公開データの作成(Webブラウザーでグリグリ動かせます)。
パノラマ写真の作成。
立体視画像の作成。
オルソ写真の作成。
DEMデータ(Digital elevation model):DSM / DTM の作成。
世界座標へのマッチング。
距離・面積・容積の測定
GIS(地図情報システム)と連動。
各種データに変換。

◆用途
倒壊時の復元用データとして。
平面図作成の基資料として。
学校の教材として。
資料館の展示データとして。
ホームページに公開する。
3Dプリンタで複製品を作成する(遺跡・古墳の全景、出土品など)。