長野県コンソーシアム助成事業「高精度3次元情報の再現技術と応用」
シンポジウム
~革新的なIT技術による文化財・防災・観光DXへ~
信州大学をはじめ、様々な研究機関、企業様に支えられシンポジウムの開催をすることができました。
また我々もこれからより一層の貢献を果たしていけるよう尽力いたします。
下記に信州ITバレー推進協議会でシンポジウムを紹介してくれているページをリンクしてあります。
弊社は、信州大学と共同研究を行っております。
研究内容は、3Dデータ、画像解析、図面自動作成、ドローン、水中計測、センサーなど多岐にわたるのですが、その一部をほんの少しだけ紹介します。
研究内容:3Dデータの精度向上
3Dデータを作成する方法は、レーザー、スキャナー、写真測量など、複数の方法があります。
写真測量で3Dデータを作成した場合、作成した直後の3Dデータは「寸法」があいまいな状態です(理由はまた別の機会に)。
そのため、作成した3Dデータに正確な寸法を与える必要があります。
例えば発掘した遺物を3Dデータ化する場合、下記の手順で寸法を与えます。
1.発掘した遺物の隣にものさしを置く。
2.遺物と一緒にものさしも3Dデータ化する(3Dデータの寸法があいまいな状態)。
3.3Dデータ化したものさしの目盛り0を選択する。
4.3Dデータ化したものさしの目盛り10を選択する。
5.選択した目盛り0~10までの長さが「10cmである」という情報を与える。
6.目盛り1~10までの長さが10cmになるように3Dデータ全体が伸縮する。
7.完了!
これで良さそうに感じますが、実は問題だらけです(従来はこれで良しとされていました…)。
上記手順3と4で、手動で目盛りを選択していますが、選択する場所がちょっとでもズレると、それが寸法誤差になってしまいます。
目盛り線の中心を選択したいけど、ものさしを拡大すると画像がボヤケてしまい、どこが中心なのかわからなくなってしまいます。
「見た目」で中心を判断するため、「選択する人」によって選択する場所が変わってしまい、結果(寸法)も変わってしまいます。
これでは、「高精度」とは言えません。
さらなる問題は、この方法だと、X軸(1次元)方向しか寸法を与えていません。
Y軸は?Z軸は?
Y軸とZ軸は、X軸に合わせて「相対的」に伸縮するだけです。
Y軸とZ軸は、あっているかもしれないし、間違っているかもしれません。
Y軸とZ軸は、明確に寸法を与えていないので、信憑性が極めて低い状態です。
これらの問題を解決するために、信州大学と共同研究を行い、下記の特許を出願しました。
名称:三次元データスケール付与方法及び三次元データスケール付与プログラム 出願番号:特許2019-062426 出願日:平成31年3月28日 |
これによれば、人間が手動で寸法を指示する必要がなくなります。
手間も費用もかけず、自動で簡単に、3Dデータに高精度な寸法を与えることができます。
3Dデータだけではなく、ロボットの目(車載カメラ、産業機械、ドローンカメラなど)に組み込み、「物の大きさの高精度認識」に応用を進めています。
長野市 ものづくり補助金
研究開発にあたり、長野市の「新技術等研究開発事業」と認められ、【ものづくり補助金】を受けて進めることができました。
費用の心配をせず、研究開発に没頭できましたこと、心より感謝しております。
今後も社会のお役に立てる様、研究および技術開発に邁進してまいります。
長野県 中小企業先進的取組等支援補助金
研究開発にあたり、長野県の「中小企業が取り組む先進的な事業」と認められ、【AI・IoT等先端技術活用地域課題解決型モデル創出事業の補助金】を受けて進めることができました。
費用の心配をせず、研究開発に没頭できましたこと、心より感謝しております。
今後も社会のお役に立てる様、研究および技術開発に邁進してまいります。